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15年目の活動を無事終えることができました。
今年度から塾長が大阪工業大学の寺地先生になり新体制となりました。
例年通り、村内見学会、林業体験、プレ木(技術講習)、サマースクール(制作実習)、反省会、村の行事への参加などを行いました。
制作は、近年、木匠館の改修などを行っており、今回も事務所スペースの改修とティピー(コミュニケーションツールとしてのベンチやテーブル)の収納スペースのリニューアルを行いました。
また、木匠館前のバス停の改修も行い、バスの本数は少ないですが、少しでも多くのバス利用者へ川上産材のアピールとなればと思います。
今後、木匠館が活動拠点として地域の人たち等へ情報発信する場となることが期待されています。
匠の聚では傾斜地にベンチを制作しました。地形に沿ってベンチは佇み、来訪者がゆっくり風景を眺めたり、談笑する場となることを願っています。
サマースクールでの制作活動はもちろん、春先からの準備を含めて、多様なプログラムを経て、参加学生たちは村の林業や木材などについて学びました。単に木工技術の習得に留まらず、所属大学の枠を越えた仲間や地域とのつながりも実感したことでしょう。
文:戸田都生男/木匠塾事務局
摂南大学+奈良女子大学
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この改修にあたって「ティピー置き場の確保」と「ボイラー室への道の確保」という二つのコンセプトを中心に設計を進めた。
この場所には、2008年、2009年の制作物があり、そこに新たな制作物を造ることにより、それらを通して関わったことのない先輩方と関わりをもつことを目的とした。
今回の制作で、過去の制作物との繋がりを意識する始まりになればと願う。
大阪芸術大学+近畿大学
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匠の聚の広場にあるベンチの改修を行った。
既存のベンチは70人の定員の確保や、取り外しのできるベンチという要望に応えられるよう計画した。
端の1本のベンチから広がっていき、終端では他のベンチにはないコミュニケーションのツールの作成を目指した。
また、全体が一体となっているベンチ案を計画・制作した。
今回の制作により匠の聚との繋がりが生まれ、続いていくことを願う。
大阪工業大学+滋賀県立大学
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バス利用者をメインターゲットとしてバス停の機能性をもとにしながら木匠館に訪れた人や学生が休憩所やミーティングスペースとして利用できるように考えた。
道路沿いの座面・角度を調節し、それに合わせて主体の構成を計画した。
摂南大学+奈良女子大学
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使われていなくて物置状態で薄暗かった事務所を、事務やミーティングのできる場所に改修した。
木匠塾の拠点である木匠館の事務所から木匠塾を知ることのできる空間になればと願って計画した。
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最終日は各校教員等が制作物の講評を行いました。
制作担当学生は実物を前に村の方々や各教員にプレゼンテーションをします。
参加学生たちが制作プロセスを通じて苦労した点や完成してからどのように使われることを意図したか等を説明し、不備な点があれば指摘を受け、後日、必ず実際の制作物を一部改善するようにしています。
今年度も多くのOB・OGがクロージングパーティーや講評会に訪れました。
例年、サマースクールの時期になると川上村や木匠塾を想い出し、実際に現地に出向き、今の自分と参加していた頃の自身を思い起こしているのかもしれません。
今年も退村式では、これまでの苦労を振り返り、涙を見せてくれた参加学生もいました。
必死に取り組んできた一つの証だと思います。
毎年、事務局として学生たちをサポートする様々な苦労もありますが、いかなることがあったとしてもこのときばかりは一緒に感慨深くなります。
ある学生の言葉が印象に残りました。
「この活動の魅力の一つは他大学の仲間たちと協力することだと思います」
単に地域産材で、ものづくりを行うことに留まらない思いがこの言葉に含まれています。
無論、「川上村」でみんなで体験したからこその思いには違いありません。
村関係者、教員、参加学生みなさまに感謝申し上げます。
文:戸田都生男/木匠塾事務局