現時点での日本の森林面積は、2,515万ha。国土の約7割を森林が占めていることになります。かつて日本人が、木を生活の中に生かしコントロールしながら使っていた技術があったからこそ、このような森林国が築きあげられたのです。
ところが今、日本人がこれらの技術を失うことにより日本の森林は大きな問題を抱えることになりました。林業家の不足及び高齢化による山村荒廃、過疎化などの問題が、建築にも深い関係をもたらすということを多くの建築を学ぶ学生は知らないようなのです。それは学生達が、木や山について学ぶ機会が実質的に持てないという現実があるからだとも言えます。
そこで、木-山-木造について、広い視野に立ち、実地に学ぶことができる場として、この「木匠塾 もくしょうじゅく 」がスタートしました。 開催場所は1991年に岐阜・高根村から始まり、岐阜・加子母村、秋田・角館町、奈良・川上村、京都・美山町、山形・村山市五十沢・大石田と広がり、毎年、全国の多くの学生が参加・卒業し10年以上の歴史を持っています。
川上村・木匠塾は1998年に始まりました。日本を代表する林業地である吉野川上村は密植(1ha=100m×100mあたりに8千~1万本を植林する)で知られ、年輪幅の細かい均一的な材を尊重し、かつては酒樽などの生産を目的としてきました。しかし現在はそれらの間伐材のほとんどが、切っても、山から出しても、採算ががあわないということで、切り倒されたままとなっています。
都市に住む多くの若者がその現状を知り、間伐材の有効利用を含めて山側の現状を改善すべく、認識してゆくことをを望みます。
そのような川上村を拠点とした木匠塾で日本の林業、山村の生活、木という素材について多くのことを学ぶ(林業体験 など)と共に、村の方、参加校の皆と、山での集団活動のモラルを体験してみてください。
支援:(社)国土緑化推進機構・建築フォーラム (1998~)
後援:(財)住友生命健康財団 (2003)
後援:(財)まちづくり市民財団 (2003)
協賛:JIA日本建築家協会近畿支部 (2003)