2009年度

概略・活動内容

12年目の活動を無事終えました。
例年とおり村内見学会、林業体験、プレ木匠(技術講習)、サマースクール(製作ワークショップ)の 流れで実施されましたが、新たな試みとしてサマースクール後の取り組みも視野に入れたコミュニケーションツールとしてのベンチや机を製作し、村の祭りやイ ベントなどの各行事に活用頂くことになりました。
また、学生自らも各行事に参加して、その効果をさぐることを実験的に試す予定です。
さらに5年前からの白川渡地区キャンプ場のマスタープランである木匠ベルト(多目的デッキ)や活動拠点である木匠館での、製作作業も継続しました。

白川渡地区 キャンプ場 多目的デッキ(木匠ベルト)

滋賀県立大学+摂南大学+奈良女子大学

2005年度からの継続制作、マスタープラン木匠ベルト。
今期で5つ目のデッキがキャンプ場に並びました。
昨年同様、参加者側の木匠塾としてのつくり続ける想いがあ大半かもしれませんが、地元キャンプ場からの了承もあってこその成果ではないかと思います。
学生の創作意欲をかきたてる魅力的な工作物だけにとどまらず、安全面での配慮として注意書き看板(ピクトグラム)などの設置も行いました。

コミュニケーションツール

大阪芸術大学+近畿大学

木匠館を作業場として村の各行事やイベントに活用できるベンチと机を作製しました。
フレキシブルな活用を意図して立体トラスの骨組みをベンチや机の脚として自在に組み合わせてカタチに変化を与えます。この成果は今後の各行事での参与的観察やヒアリングによるところが大きいと思います。
裏返せば造りっぱなしを放棄できない状況をつくったともいえるのではないでしょうか。
無論、使用状況を蓄積して分析し、次の活動へ繋げることでコミュニケーションツールが生かされたということになるのでしょう。

西河地区 パーゴラ改修工事

大阪工業大学+大阪市立大学

2004,2005 年度に製作した藤棚の改修を行いました。
過去の木匠塾での過去製作物を本格的改修の第一号といえます。
かつてデッキを付与して植栽を試みた経緯がありあますが土壌と合わずうまく生育するに至りませんでしたが、今回は生育もよいゴーヤを植えました。
土壌は山上のものを埋めて土壌改良を行いました。
10月現在、季節はずれの小さなゴーヤが既に生育しているそうです。
また、植栽だけでなく既存の小梁の取替えやデッキの増設や配置替えなどを施してパーゴラとしての機能がようやく生かされることとなりました。
ちなみにゴーヤのパーゴラといくことで「パーゴーヤ」と名づけられました。

最終日・退村日

最終日には制作物に関して教員から講評とコメントを頂きました。
うまく製作意図を伝えそれに対する意見を聞くことで客観的に活動をふりかえります。
毎年のことですが専門教員の意見だけでなく地元の声を拾うことでより製作物を設置した価値が見出されるかもしれません。
しばらくたってまた村を訪れ振り返ってみることも大切でしょう。

退村式では、今年もほとんどの参加学生が感激の涙をみせてくれました。
見守る側としても過去の活動を思い出しまた熱い気持ちがこみ上げてきます。
参加学生、教員皆様、村役場関係者、その他村関係者皆様大変ありがとうございました。